1 運動と力はどのような関係があるのか?
(1)斜面に沿って下向きに働く力
斜面上の台車には、斜面に沿って下向きに力がはたらきます。
斜面の傾きが同じとき、台車が斜面のどこにあっても同じ大きさの力がはたらきます。
斜面の傾きと下向きの力の大きさ
斜面の傾きが大きくなると、斜面下向きの力も大きくなります。
重力と斜面下向きの力の関係
台車にはたらく重力は斜面の傾きに関係なく一定になります。ただし、傾きが大きくなるほど、斜面下向きの力は大きくなります。
(2)斜面を下りる台車の運動を調べる
記録タイマーを使って、斜面を下りる台車の運動を斜面の傾きを変えて調べます。
0.1秒ごとにテープを切り取ってグラフ用紙に貼り付けます。
斜面を下りる台車の運動
台車が斜面のどこにあっても、斜面に沿って下向きに同じ大きさの力がはたらいているため、速さはしだいに大きくなります。
斜面の傾きと速さの変化
斜面の傾きが大きくなると、斜面に沿って下向きにはたらく力が大きくなるため、速さの増え方は大きくなります。
(3)真下に落下する物体の運動
斜面の傾きが大きくなって、物体が真下に落下する時には、物体に下向きにはたらく力は重力と同じ大きさになり、斜面を下りる運動よりも速さの増え方が大きくなります。
(4)斜面を登る台車の運動
斜面に沿って下向きにはたらく力が、台車の運動の向きと逆向きにはたらくため、速さはしだいに小さくなります。台車はやがて一瞬停止し、その後は斜面を下り始めます。
(5)摩擦のある水平面での物体の運動
物体どうしが触れあう面で、物体の運動の向きとは逆向き(物体の運動を妨げる向き)にはたらく力を摩擦力といいます。
摩擦力の大きさは、物体の重さや触れあう面の状態によって変わってきます。
摩擦のある水平面での物体の運動
摩擦力がはたらくため、速さはしだいに小さくなり、最後には停止します。
(6)物体の運動と力との関係
運動の向きに力がはたらき続けると、物体の速さは大きくなります。
運動の向きとは逆向きに力がはたらき続けると、物体の速さは小さくなります。
同じ物体では、速さの変化する割合は、はたらく力が大きいほど大きくなります。
コメント