中学歴史 近世の日本 幕府政治の改革と農村の変化
1 幕府政治の改革
(1)綱吉(つなよし)・白石(はくせき)・吉宗(よしむね)の政治
江戸幕府の第5代将軍
財政難から貨幣の質を落とし、貨幣の数量を増やした。
・貨幣改鋳(こうかかいちゅう)
新たな鉱山の発見が困難となったことから金銀の産出量が低下し、貿易による金銀の海外流出も続く一方、経済発展により貨幣需要は増大し、
デフレ不況の危機にあった。幕府の大幅な財政赤字になり。流通する貨幣量の増大を目指し、元禄8年(1695年)、慶長金銀を改鋳し金含有率
を減らした元禄金銀を作った。
・生類憐れみの令
殺生を禁止する法令を制定した。犬・猫・鳥、さらには魚類・貝類・虫類などの生き物にまで及んだ。ただ、特に犬が保護された。
・大量に鋳造された元禄金銀および宝永金銀を回収し、慶長金銀の品位に復帰する、
良質の正徳金銀を鋳造して、インフレの沈静につとめた。
・開幕以来の長崎貿易で大量の金銀が海外に流出したため、長崎貿易縮小政策をとった。
8代将軍となり、享保(きょうほう)の改革を行った。
水野忠之を老中に任命して財政再建を始める。江戸の都市政策を行う一方で庶民の要求や不満の声を直接訴願の形で募るための目安箱を設置。
また、廃止されていた鷹狩を復活させる。
江戸の都市政策は南町奉行の大岡忠相が主導し、町奉行所や町役人の機構改革を行う。
防火対策は町火消し組合の創設に留まらず、防火建築の奨励や火除地の設定、町代の廃止や町名主の減員など、町政改革を伴うものであった。
米価や物価の安定政策、貨幣政策も行った。
下層民対策では、目安箱の投書から貧病民救済を目的とした小石川養生所を設置し、諸藩にも踏襲された。
私娼や賭事、心中など風俗取締りや出版統制も行った。
・目安箱(めやすばこ)
江戸に設けた投書箱で、民衆の意見を政治の参考にした。
裁判の公平をはかるためにつくらせた法令集。
(2)田沼(たぬま)と定信(さだのぶ)の政治
悪化する幕府の財政赤字を食い止めるべく、重商主義政策を採る。内容は株仲間の結成、銅座などの専売制の実施、鉱山の開発、蝦夷地の開発計画、
俵物などの専売による外国との貿易の拡大、下総国印旛沼の干拓に着手する等の政策を実施した。その結果、幕府の財政は改善に向かい、景気もよくなった。
株仲間
問屋などが一種の座を作り株式を所有することで、構成員として認められた。
商業の統制を図るために組織化された方が望ましいとする方針の下に公認が与えられ、上納金を納める代わりに、販売権の独占などの特権を認められ、
幕府の現金収入増と商人統制が企図された。
蝦夷地の開発、長崎での貿易を盛んにしようとした。
専売制
幕府は、江戸時代中期以降に、米・箔(金箔・銀箔など)・石灰・高麗人参・銅などの専売を実施した。
各藩の専売制・・・最
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